沿岸バス 羽幌ターミナル・羽幌営業所
(2015年9月訪問)
かつて留萌本線の留萌駅から羽幌を経て宗谷本線の幌延までを結ぶ、
国鉄羽幌線がありました。
いわゆる特定地方交通線に選定されて、1987年国鉄分割民営化の前々日に廃止となり、
沿岸バスの代替バスに転換されました。
今なお留萌~羽幌~幌延を中心とする系統が、国と北海道の補助金を受けながら運行されています。
この羽幌ターミナルは羽幌線の羽幌駅跡地を利用して、代替バスや羽幌町内のスクールバス等が乗り入れるほか、沿岸バスの羽幌営業所を併設する交通拠点となっています。
鉄道の頭端式ホームを思わせる発着場所です。
①~⑤の乗り場があり、方面ごとに乗り場が分かれています。
留萌~羽幌~幌延~豊富を結ぶ沿岸バスで一番長い一般路線バス、北海道内でも有数の長距離路線バスです。
幌延で折り返す系統と合わせて、羽幌線無き今は留萌管内の基幹交通を担います。
長時間の乗車にも配慮しているためか、リクライニングシート装備のエアロバスが充当されていました。
上記の幹線バスの到着に合わせて、羽幌町内各地(町内循環・上羽幌・曙)へ向かう支線バスが発車を待っています。
手前のほっと号は沿岸バスが運行する羽幌町内循環バス、奥のマイクロバス2台は羽幌町が運行する一般混乗のスクールバスです。
羽幌営業所の全景です。
窓口があり、札幌方面の高速バス乗車券や定期券・フリー切符等の発券が
06:00~17:00で行われています。
使用されなくなった沿岸バスの備品類が一部保管されています。
懐かしい日野のエンブレムや稚内まで乗り入れしていた当時の案内板等があります。
真ん中の円柱状の物は古い両替機のようです。
味わい深い手書きの路線図です。
沿岸バスは留萌管内全域に路線網を広げていますが、沿線は昭和末期から人口が30%
以上減少する急激な人口減少が続いています。
かつては天塩中川や稚内への路線も運行していましたが、振興局境界を跨ぐ流動は極めて少ないためか廃止されました。
JR北海道は留萌本線のバス転換協議を要望しており、留萌管内から鉄道が消えかねない
状況となっています。