てぃーろーどの公共交通雑記

鉄道・バスを中心に公共交通なんでも扱う予定です。

びゅうプラザ全店舗閉鎖と今後のJR東日本を考える(3)

2010年代にiPhoneAndroidスマートフォンが4G回線と共に爆発的に普及しました。
これはいつでもどこでもWebページのアクセスが容易となり、アプリの多様化と高機能化でネット予約が大きく進化しました。

3G携帯では回線速度や操作性等で限界があり難しかった、航空機を複数社載っている比較サイトの中から便単位で選ぶ、
楽天トラベル等のネット系旅行代理店で宿泊料金の比較等、手のひら上でリアルタイムの価格競争が進展することになります。
アクセスが増える度にデータが蓄積されて、より正確なイールドマネジメントが取り組めるようになりました。

もはやパンフレット等の紙媒体に頼り、店舗にて単なるパック旅行を販売する手法だけでは、旅行代理店は生き残れない状態となっていきました。
体験型ツアー等、個人では難しい付加価値のあるツアーを作り差別化する戦略となっていきます。

路線網が成熟を迎えた高速バスは、既に曜日別にツアー代金を柔軟に変えていた高速ツアーバスと既存の高速バスが一本化されて、良いとこ取りをした新しい高速バスとしてスタートしました。
これにより曜日によって需要変動が大きい夜行バスを中心に、曜日別のカレンダー運賃を導入出来るようになり採用事例が相次ぎました。
今までみどりの窓口で予約出来た多数のJRハイウェイバスも、運賃制度が鉄道基準のマルスとは概念が大きく変わったためネット予約を推進していきます。

こうした他の交通機関ではスマートフォンを上手く活用していく中で、JR東日本はどのようにしていったか見ると、えきねっとモバイルSuicaの強化でした。
割引率の高いお先にトクだ値やスーパーモバトクを充実、スマートフォンへのモバイルSuica対応、びゅう商品の改良といった既存策の強化です。
しかしiPhoneモバイルSuicaに対応せずシェアでは劣るAndroidに限られたり、びゅう商品もネットで完結出来ないまま等中途半端な部分が多くありました。

2015年、ついにJR東日本でも重い腰を上げたのか、旅行商品でイールドマネジメントに基づく対応が始まります。
これ以降の話はまた次回にしたいと思います。