日高本線復旧ならず、バス転換へ
日高線「全線バス転換」へ 7町長が多数決で結論 | HTBニュース
2015年の爆弾低気圧により厚賀〜大狩部間にて被災した日高本線、沿線町長の多数決によりついにバス転換への方向が定まりました。
4年の歳月が流れて、代行バス通学のみで過ごした高校生も出てきています。
公共交通について何ら解決策が用意出来なかった空白の4年間とも言えます。
ここからバス転換への実施はJR北海道がどこまで支援出来るのか、自治体はどのようなバス転換を望むのか、これからも着目していきたいと思います。
JR北海道のプレスリリースより、被災から現在に至るまでざっと振り返ってみたいと思います。
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2015年1月7日
日高本線は線路災害の発生が懸念されたため、1 月 7 日 12 時 00 分より全線運転中止
2015年1月8日
8 時 46 分頃に厚賀~大狩部間において、線路右側の盛土が流出しているのを保線社員が発見
低気圧に伴う波浪の影響により、護岸の一部が損壊
鵡川〜様似にて運転中止を継続
2015年1月13日
代行バスの運行開始
鵡川〜静内 平日4往復、土休日2往復
静内〜様似 平日3往復、土休日2往復
被災箇所に大型土のうの設置完了、土砂流出の拡大防止のため
2015年1月27日
苫小牧〜静内を回送扱いの上で、静内〜様似を4往復にて列車の運転再開
被災箇所は回送扱いで通過時、保線社員立ち会いによる軌道監視を実施
2015年2月28日
被災箇所の軌道変位により、静内〜様似の列車運転取り止め
午後より代行バスの運行開始
2015年4月1日
2015年4月28日
日高本線の被災箇所、復旧の概算費用を公表
完全復旧を目指すと57億円、被災箇所の25km/h走行で一部を復旧で30億円
最短でも復旧には5年弱の工期が必要
2015年4月29日
東静内〜西様似において代行バス乗降場所を変更、時刻変更は無し
既存バス停との共用や主要道路沿いへの移転
一部駅を除いて駅前への乗り入れを中止
2015年6月1日
代行バスを増便、被災前の列車運行当時よりより1往復削減に留める
鵡川〜静内 7往復 富川→静内 1本
静内〜様似 6往復
2015年6月16日
被災箇所における復旧工事の準備工事が完了
復旧に向けて詳細設計や施工計画の策定に着手
2015年9月14日
台風17号の影響で新たに豊郷〜清畠、厚賀〜大狩部にて路盤流出が発生
2016年1月13日
代行バス 静内→浦河の増便
鵡川〜静内 7往復 富川→静内 1本
静内〜様似 6往復 静内→浦河 1本
2016年1月14日
2015年台風17号による被災で追加の概算費用を公表
8億円となり、従来の30億円と合わせて約38億円が必要
2016年3月26日
代行バスの増便、列車運行時と同等の本数へ
鵡川〜静内 7.5往復 富川→静内 1本
静内〜様似 6.5往復 静内→浦河 1本
駅前にあった絵笛、西様似のバス停を国道上へ移設
静内〜様似の代行バスは16分短縮
2016年8月
連続した台風上陸による被災箇所拡大
豊郷〜清畠 橋梁流出、路盤流出、通信ケーブル損傷
新冠〜静内 護岸倒壊
2016年12月21日
JR北海道が下記の理由により、日高本線鵡川〜様似の復旧断念を公表
相次ぐ被災により復旧費が約 86 億円にのぼると試算、当社単独では負担できない
復旧費とは別に海岸侵食対策として、離岸堤の整備を含めると総額は 100 億円を超える規模
単独維持困難線区であり、当社で負担するとした3億円を差し引いた 13.4 億円について、地元自治体に費用支援を提案したが困難と回答
平成 26 年度の輸送密度で 186 人と、当社発足時の昭和 62 年度と比較して約3分の1
収支状況も平成 26 年度で年間約 11 億円の赤字
日高自動車道が平成 29 年度には厚賀ICまで延伸予定、静内まで事業区間とされていることから、鉄道のさらなる利用減が想定される