てぃーろーどの公共交通雑記

鉄道・バスを中心に公共交通なんでも扱う予定です。

JR北海道バス 深名線

※2016年5月15日乗車時の状況です。
 
JR北海道バス深名線は1994年に廃止されたJR深名線代替バスです。
深川駅から多度志・幌加内・朱鞠内へ経て名寄へ至る鉄道路線でしたが、輸送密度100人/km未満と極端に少なく、路線単独の赤字が10億円近くとなったためバス転換されました。
代替バス運行開始後は鉄道時代よりも本数を倍増、利便性を向上させましたが2002年に現在の本数へ減便。
この年には、路線免許や設備・車両はJRバスが持ちながらも、実際の運行を道北バスへ委託し更にローコスト経営となりました。

現在、深川~幌加内・7往復、幌加内~朱鞠内~名寄・4往復、幌加内~朱鞠内・1.5往復 の内容で運行されています。

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乗車したのは、名寄駅13:00発 幌加内行きです。
鉄道代替バスとは思えない、観光タイプの小型車両でした。
名寄駅からの乗客は自分含めて2人、小型車両を使うこの便はいつも利用者がこの程度なのでしょう。

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途中の朱鞠内バス停では、幹線道路から外れて旧駅構内へ乗り入れて行きます。
(深名線内では)主要駅だった名残でしょうか、モニュメントもありロータリーが整備されています。
なお乗降は0でした。

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名寄駅から約2時間で幌加内へ到着します。
幌加内は人口1500人の町、深名線が唯一の公共交通です。
ここから深川方面は通学需要もあるようですが、日中の利用は少ないのかこの便は乗降0。
運転系統上は幌加内で分離されているものの、10分ほど停車して深川駅行きへと変更となり乗務員・車両とも通し運用でした。
 
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名寄から3時間以上、深名線の終点深川駅へと到着します。
他社の路線バスは駅から離れた深川十字街という中心街にあるバス停へ発着しますが、鉄道廃止代替バスであることから深名線は駅前ロータリーへ乗り入れて行きます。
名寄~深川での乗車人数は終始2人、鉄道代替バスとしては極端に少ない利用者数でした。
 
鉄道駅のあった地区でも人家が見当たらない所もあり、沿線環境は極めて厳しい状況です。
また幌加内町では旭川方面へ抜けるデマンドタクシーが走り始め、深名線の存続意義も揺らぎかねません。
持続可能な公共交通という観点から言えば、深名線は前途多難であると思われます。