てぃーろーどの公共交通雑記

鉄道・バスを中心に公共交通なんでも扱う予定です。

白糠町営バス

※2016年12月20日乗車時の状況です。
2018年4月2日より公共交通再編としてデマンドバスが運行開始、定時運行が無くなる見込みです。
 
白糠町営バスは、1983年に廃止された国鉄白糠線の代替バスです。
白糠~北進(二股地区)という区間は全て白糠町内で完結しますが、元々は足寄まで延伸して釧路と北見のバイパスルートとして計画されました。
しかし沿線の貨物需要が皆無となり国鉄の厳しい財政状況で延伸計画は白紙。
国鉄再建法による鉄道の使命を終えた路線として、第1次特定地方交通線に選定されました。
廃止前の1972~1974年の平均輸送密度は123人/km、路線単独の赤字は2億円を要する状況でした。
代替バスでも民間事業者では成り立たないとされ、自治体所有による町営バスで現在も3往復が運行されています。
 
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乗車したのは白糠駅08:00発の二股行きです。
白糠線時代は北進という名称でしたが、地区名の二股へと変更されています。
自治体直営のため白ナンバーによる運行となります。
乗車は学生が3名、そして自分の総数4名でした。
 
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沿線は白糠市街を除いてほとんどが人口希薄地帯、原生林ばかりです。
学生3名は白糠市街を出てすぐに下車、以降は終始乗降なしでした。
 
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バスの車窓からは白糠線の遺構が数多く見られます。
昭和30~40年代に建設されたため、コンクリートを多用した強固な設計で現役で使用されていてもおかしくない状況でした。
 
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終点の二股には08:45に到着、バスは折返し09:05発白糠駅行きとなります。
鉄道時代は北進駅が集落から外れたところにあり不便だったようですが、バス転換後道路沿いに移りました。
道中に運転手さんからは
代替バスなので国鉄運賃をもとにして運賃を決めた、代替開始当初から消費税分以外は値上げしていない
代替バスも昔は学生を立ち客が出るまで乗せて、大型の路線バスで走っていた
・この町営バスも乗る人が少なくてデマンドバスになるし、今度実証運行が始まる
等々町営バスや白糠線の遺構についてお話を頂きました。
 
白糠町広報によると、2018年4月2日から白糠町コミュニティバスと予約制バスの運行開始による、公共交通再編を実施するようです。
白糠町営バスは1984年に年間5.5万人居た利用者が、2015年には年間3千人強と9割以上の減少。
運営経費は1300万円以上、利用者の少なさからほぼ全てが損失を計上していると思われます。
よくぞここまで町営バスを運行してきたというのが、率直な感想です。