JRバス東北・沼宮内線を辿って(後編)
馬渕小学校前から岩泉町内へ向かいますが、バスは水曜日に1本のみ運行でこの日は火曜日、バスが来ませんので歩きました。
葛巻市街側へ向けて歩くと荒沢口というバス停があります。
ここでは平成15年当時の時刻表痕が残っており、上荒沢口という行き先が見えます。
これは上荒沢口にて、葛巻方面と岩泉方面のバスが接続し、葛巻~岩泉のJRバス廃止代替を担っていたものでした。
上荒沢口バス停跡です。
JRバスと岩泉町営バスはここで転回し、それぞれ葛巻と岩泉へ折り返していく運行となっていました。
ここから先は峠道となり、人気は皆無となります。
距離にすると5km前後、1時間弱歩いて、葛巻と岩泉の境にある国境峠を越えていきます。
JRバスが運行していた当時は1日1往復走っていましたが、国境峠の前後は民家は皆無、葛巻と岩泉を通しで利用するわずかな客しか居なかったのでしょう。
バスの運転手さんからは、
「この辺は熊や猪が出るよ」
「この前も走っていて、動くものが見えるから何だと思ったら熊だった」
と聞かされましたが、その日は遭遇はしませんでした。
岩泉側末端のバス停は上国境となります。
上国境14:12発、岩泉三本松行きのバスに乗ります。
車両はリエッセですが、運行は地元のタクシー会社のようです。
ここから岩手小川・二升石を経て岩泉市街へ向かいます。
途中の名目入というバス停から岩泉市街へかけては、JRバス早坂高原線と重複します。
15:12に岩泉三本松へ到着します。
場所は岩泉の市街地東側に位置しますが、かつてはJRバス東北の岩泉営業所がバス停付近に有りました。
現在は町の施設となっており、跡形もありません。
JRバスの発着は無くなりましたが、今なお岩泉町内各系統のバスが発着します。
極めてマイナーなネタとなりましたが、元JRバス路線を辿るのも面白いものでした。
しかし、需要の極端に少ない区間(峠越えや境界を跨ぐ箇所)は、もはや公共交通が残るのも厳しい状況です。
今ある公共交通を大切に、積極的に利用していきたいものです。