てぃーろーどの公共交通雑記

鉄道・バスを中心に公共交通なんでも扱う予定です。

奈井江駅

イメージ 1

イメージ 2


奈井江駅はJR北海道 函館本線の駅です。
特急列車は全て通過し普通列車のみが停車しますが、かつては急行列車が停車していました。
奈井江町の玄関口であり、平成28年まではみどりの窓口も設置されて主要駅の扱いでした。
しかし一連の経営問題で経費削減のため、地元企業への委託となり窓口営業は規模を縮小し簡易委託駅となりました。

イメージ 3

イメージ 4


窓口も改札も現存し、今でも出改札が行われそうな雰囲気ですが、平日朝夕除いては無人駅となります。

イメージ 5

イメージ 6

看板等を除いては国鉄時代と変わらないであろうホーム・跨線橋です。
もじゃくんはJR北海道のマスコット?的な存在のようで、道内各地でちらほら見掛けます。

イメージ 7

駅前には浦臼町営バスが乗り入れます。
浦臼駅と奈井江駅を結び、浦臼町にとって函館本線は本数の少ない札沼線を補完する存在です。
元々は国鉄バス→JR北海道バスによる運行でしたが、2003年に撤退し町営バス化されました。

JR北海道、自立経営の確立へ向けて

本日、国土交通省より「JR北海道の経営改善について」と「監督命令書」が公表されました。

JR北海道の経営改善について
http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo05_hh_000085.html

【別添1】JR北海道の経営改善について
http://www.mlit.go.jp/common/001247327.pdf

【別添2】監督命令書
http://www.mlit.go.jp/common/001247326.pdf

おおよそ前日から報道していた通りの内容ですが、自立経営の確立が一つのゴールとなるようです。
現在JR北海道は国が全ての株式を持つ実質の国有企業ですが、国鉄改革の目標は株式上場し完全民営化を達成することとなっています。

株式上場するためには、まず公的支援を受けずに企業グループ全体で収支均衡が出来るかが課題となります。
すなわち自立経営を確立させる事は、国からの支援を得ない前提で収支均衡を達成させる事になります。

自立経営のスタートが、北海道新幹線の札幌延伸開業となる2031年度です。
この年からは、JR北海道の持つ鉄道事業・関連事業全て、経営安定基金の運用益のみで収支均衡とする計画が、今回の「JR北海道 経営改善について」となります。

なぜ監督命令が出されたのか、考えていきたいと思いますが、こちらは長い話になります。

JR北海道は設立以来、国鉄債務から拠出された経営安定基金(6822億円)を持ち、これを元手に資産運用することで収支均衡が出来るよう設計されました。

それでも厳しい経営のため2011年に国から、
・実質的な基金の上積み(2200億円)
・2020年度まで10年間で助成金300億円・無利子貸与300億円
が実施されました。

さらに2016年からは「安全投資と修繕に関する5年間の計画」に基づいて、
・300億円の助成金
・900億円の無利子貸与
が追加支援として実行されました。

安全投資と修繕に関する5年間の計画(平成27年3月20日報道発表資料) 【PDF/1,503KB】
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150508-1.pdf

度重なる支援を受けながらも、さらに厳しい経営状況に陥っている状況です。

しかしこれまでは安全確保や幹線輸送への投資(特急や札幌圏の新車導入・新型保安装置の導入・PC枕木化等)に用いられて、JR北海道の経営や企業価値向上においても極めて重要なものでした。

単独維持困難線区となると国の支援により、JR北海道の経営や企業価値に寄与するのかどうかの見極めが必要となってきます。
また以前には助成を得ながらも、保線データの改ざんや重大インシデントで、安全確保を怠った事例もありました。

そのために支援を出しつつも監督命令を出して、国が経営を監視する体制になったと考えられます。

報道各社のニュースを見ていきましたが、突っ込んだ内容はあまり見受けられませんでした。
個人的に気になった点を今回書き出してみたものです。

JR北海道、二度目の監督命令へ

国交相JR北海道に監督命令へ 支援策の全容判明

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/212300

 
『経営難で赤字路線見直しを進めるJR北海道への国の支援策の全容が25日、分かった。国土交通相が経営改善を求め、JR会社法に基づく異例の監督命令を出す。国交省は決算内容を四半期ごとに検証するなど経営を徹底的に監視。2019、20年度の2年間で400億円超の財政支援を行いつつ、支援継続を判断する。石井啓一国交相が27日、こうした方針を発表する。』
国は、JR単独では維持困難とする10路線13区間のうち、輸送密度(1キロ当たりの1日の輸送人数)が200人未満の留萌線(深川―留萌)など5区間については、バス転換などを進めるよう求める。』

JR北海道への国の支援が明らかになると共に、検査記録の改ざん等一連の不祥事以来となる監督命令が出される事になった模様です。

支援内容は、
【国が全額助成】
・貨物列車の運行維持に関わる修繕費・設備投資
青函トンネルの維持管理費
【国と自治体で折半(全額助成)】
鉄道車両や設備の修繕費等
【国が半額助成・半額を無利子融資】
快速エアポートの増発による設備改修等
を合わせて、2年間400億円強の規模で実施される模様です。
 
国鉄の反省を活かした自立経営・株式上場が使命とされるJRで、国庫補助を実施しつつ経営に国が介入するのは誠に不名誉な事です。
どの程度国が経営に関わるのか不明ですが、決算を四半期毎に報告の義務が出ることから、合理化によるコスト低減効果や単独維持困難線区の輸送実態・収支状況も求められるのではと思います

輸送密度200未満の線区は、確定済の夕張支線を除いてもこの2年間で、以下の線区は廃止への協議が大きく進むのではないかと思います。
 
留萌線(深川~留萌)
札沼線(医療大学~新十津川)
日高線(鵡川~様似)
・石勝線(新夕張~夕張)

先日に国と道庁は容認したとの報道もありました。

経営難のJR北、赤字5路線5区間廃止へ 国・道は容認


『国と北海道は廃止を容認しておりJR北海道は早ければ年内にも廃止を決めたい考えだが、一部自治体との協議はまとまっておらず、同意を得られるかが焦点だ。』

また試験運行を今年度から実施しているH100形(電気式気動車)も2020年度から本格導入が始まるものと思われます。
保守に手間の掛かる変速機が無くなる事で、コスト低減効果がありますので、国・自治体の補助を得ながら増備されていくのではと考えます。
札幌圏を除いて今なお普通列車の主力を担う、キハ40系列も2020年度以降数を減らしていくのではないでしょうか。

JR北海道の経営がこれによって安泰という保証はなく、山積みする経営課題を少しずつ取り組むしかないと思います。

府屋駅

イメージ 1
 
イメージ 2

 

新潟県の最北に位置し、旧山北町の中心駅となる府屋駅です。
特急いなほも停車し、みどりの窓口も設置されています。
 
イメージ 3
イメージ 4
 
跨線橋は地方では珍しいコンクリート製ですが、海に近く潮風の影響を受けやすいためでしょう。
昭和49年竣工で国鉄信濃川工事局が設計したようです。
 
イメージ 5
イメージ 6
イメージ 7
イメージ 8
駅前からは新潟交通観光バスの路線バスが発着します。
かつて地域別に3社あったものを統合した経緯からか、塗色がバラバラです。
特に新交西貸切バスは2002年で社名変更しているため、16年以上前から走っている車両のようです。
府屋駅には30分程度しか居ませんでしたが、小型のローカルバスが3台乗り入れてくるとは思いもよりませんでした。
 

あつみ温泉駅

イメージ 1

 

イメージ 2
国鉄時代からのコンクリート造りな駅舎が残る羽越本線あつみ温泉駅です。
特急列車も停車し、近くには名の通りあつみ温泉が位置する主要駅です。
国鉄時代には温海駅と名乗って温海町の代表駅でしたが、難読な地名のため温海(あつみ)の読み方をPRするべく現駅名に改称された経緯があります。
 
イメージ 3
ホームの上屋は近年にリニューアルされて、きれいに整備されていますがホームは低いままです。
四季島も停車するようで専用出入口(駅舎右側部分)が設置され、リニューアルもそれに合わせて実施されたようです。
 
イメージ 4
 
村上・新潟方面には使われていないトンネルが駅から見えます。
国鉄時代に羽越線の複線化用として整備されましたが、国鉄改革による緊縮財政となったため複線化工事が中止され今に至るまで放置されています。

信濃大町駅

イメージ 1

 

大糸線で最大の中間駅が信濃大町駅になります。
大糸線の線名の由来にもなっていますが、大町から糸魚川へ向かう(松本~信濃大町は私鉄を買収)ことによるものです。
立山黒部アルペンルートの玄関口でもあり、扇沢駅へは毎時1本程度バスが出ています。
木造駅としては大柄ですが、近年改装されたようで塗装も美しい状態です。
 
イメージ 3
 
イメージ 2
国鉄時代から使われているであろう、跨線橋です。
木製の駅名標も現存しています。
 
イメージ 4
イメージ 5
イメージ 6
様々な特急車両が乗り入れてきた証です。
今や定期運用はE257のみとなっていますが、近い将来E353へ置き換えられる見込みです。
イメージ 7
駅舎の正面はリニューアルされキレイになっていますが、駅構内へ入ると随所に懐かしさを感じます。
古レールを使った上屋の支柱もいい感じでした。

関電トンネルトロリーバス(扇沢駅にて)

扇沢駅関電トンネルトロリーバスの拠点となる場所です。

トロリーバスの車庫があり、整備・点検を実施しています。
ここからは、信濃大町駅長野駅への路線バスが発着し、乗り継ぎ地点でもあります。
駅前に駐車場はありますが、シーズン期は満杯になるほどマイカーが殺到するようです。
 
イメージ 1
 
鉄道駅の有人改札を彷彿させる改札口です。
繁忙期では全てのレーンを使って、団体と個人で分けて整列するようです。
乗車した時は比較的空いている時期(6月26日)でした。
 
イメージ 2
降車ホーム側に車庫があります。
トロリーバスの車両にバッテリーを搭載しているため、短距離であれば架線なしでも走行できるようです。
こうして見るとバスの営業所と見分けが付きません。
 
イメージ 3
2019年度から営業開始する電気バスが試運転していました。
ベースの車両はエルガorブルーリボンで、白ナンバーのため今のところ自家用扱いのようです。
旅客営業を開始するまでには、緑ナンバーへ切り替えるのでしょうか。
電気バスは車載のパンタグラフでバッテリーへ急速充電し、走行時はバッテリーの電力のみで駆動します。
鉄道で似たようなものと言えば、烏山線男鹿線のACCUMですね。
1回の充電でどれだけ走行できるのか、トロリーバス運行終了後の時間帯で試運転・習熟運転をしているようです。
 
イメージ 5
 
イメージ 4
トロリーバスと電気バスが共存するのも今年度限り、紅葉シーズンともなると混雑が激しくなるようでなかなかゆっくり見るのが難しそうです。
 
イメージ 6
 

関電トンネルトロリーバス

ケーブルカーは黒部湖駅までですが、関電トロリーバス黒部ダム駅と別になっています。

黒部湖駅から黒部ダム駅までは徒歩連絡となり、黒部ダムのアーチ部分を歩く形です。

黒部ケーブルカーまでは立山黒部貫光の運営でしたが、関電トンネルトロリーバス関西電力による直営事業です。

イメージ 1
黒部ダム駅に着くとこのような広告があります。
関電トンネルトロリーバスは、2018年度で運行終了となり、2019年度からは電気バスによる自動車での運行へ切り替わります。
トロバスラストイヤーとして、記念乗車券の発売・車庫見学会等様々なキャンペーンが実施されています。
 
イメージ 2
ごく普通の案内サイン類ですが、トロリーバスと書かれたサイン類は今年度を最後に全て書き換え・貼り替え等で消える事になるようです。
 
イメージ 3
イメージ 4
首都圏の各鉄道駅でお馴染みの時計があり、やはりトロリーバスは鉄道事業なのだと思い起こされます。
マーカーランプの付いた車両は、岡山の宇野自動車にあると聞いてはいましたが、初めて見ました。
 
イメージ 5
 
集電装置はビューゲル式のようです。
架線は駅構内のみシンプルカテナリー式が並列で張られて、トンネル内は剛体架線となっています。
 
イメージ 6
トンネル内で扇沢駅からの車両とすれ違います。
緑のランプは先頭車を表すようで、通過台数の確認をしながら、すれ違い時に閉塞内の安全を確保するようです。
 
イメージ 7
トンネル建設時に水が大量に湧出したと言われる破砕帯を通過します。
現在も水が湧出しているのか、トンネル内も水たまりが見えます。
 
イメージ 8
イメージ 9
黒部ダム駅から16分で、長野県側の出入り口である扇沢駅に到着します。
扇沢駅付近は、トロリーバスで唯一の地上区間です。
背部には車庫があり、関電トロリーバスの拠点となります。

黒部ケーブルカー

黒部平駅から黒部湖駅までは、黒部ケーブルカーが接続します。

区間は800m程度、駅構内を除いた区間がトンネル内を走行します。
 
イメージ 1
イメージ 2
車両は汽車会社製で、昭和44年製造となっています。
黒部ケーブルカー開業以来、40年弱に渡り現役で稼働しています。
 
イメージ 3
黒部湖駅へ到着後気付きましたが、ケーブルカーの前面の姿が前後で若干違います。
全線がトンネル区間のため、トンネルに光を当てず軌道に沿って当てられるよう前照灯が下向きになっています。
 
イメージ 4
黒部湖駅黒部ダムにも近く、観光客が多く滞在していました。
インバウンド客対応のため英訳付きの案内へ多く変わっていますが、黒部湖駅の案内は古さを感じるものでした。
 
イメージ 5

立山ロープウェイ

 
大観峰駅からは黒部平駅まで立山ロープウェイが接続します。
このロープウェイは1スパン式と呼ばれ、約700mの間に支えが無いワイヤーで運行されています。
雪崩等で支柱が流されないよう、あえて支えをなくしているようです。
 
イメージ 2
ロープウェイ車内からは、支柱が無いぶん広々とした景色が見られます。
大観峰駅から黒部平駅まで標高差は400m以上あり、右に黒部湖を見下ろす形で下降していきます。
 
イメージ 1
全国各地にロープウェイはありますが、平日でもここまで活況するロープウェイは少ないのではないでしょうか。
立山黒部アルペンルート内はどの駅もそうですが、訪日外国人いわゆるインバウンドが多く平日でもそれなりにいます。
駅員さんも大変そうですが、しっかりとお辞儀する姿はおもてなしの一面だと思います。
 
イメージ 4
 
イメージ 3