てぃーろーどの公共交通雑記

鉄道・バスを中心に公共交通なんでも扱う予定です。

びゅうプラザ全店舗閉鎖と今後のJR東日本を考える(1)

ここのところ放置していましたので、Yahooブログ閉鎖を今更ながらに知りました。

さて数日前にJR東日本の旅行代理店である、びゅうプラザを2021年度末で閉鎖すると発表がありました。
個人的には分割民営化以後、国鉄の外郭団体であったJTBとは決別して、独自のブランドを立ち上げた当時から見れば隔世の感があると思います。

と同時にJR東日本の公式リリースには、えきねっとへの特化とダイナミックレールパックを強化していく旨の文がありました。
ここから読み取れることと、旅行業の将来を個人的にまとめてみたいと思います。

初めに言ってしまうと現代では、旅行業がもはや商売として成り立たないと思います。
最大の旅行代理店であるJTB、グループの売上高で言えば1兆円を超えてJR西日本と同等規模です。
しかし旅行商品は基本的に交通費+宿泊費+飲食費で原価の90%を占めて、手元に残る代金は10%であり、この中で店舗の運営費や人件費を賄う構造です。

添乗員同行による団体パック旅行が主体であれば、手配はあまり手間が掛からず、規模が大きいため旅行手数料も大きく発生していたものと思います。
また1990年代まではインターネットも発達しておらず、航空会社や宿泊施設が全国津々浦々に展開するのは極めて難しいものでした。
販路拡大を頼ってきたのが全国展開するJTB近畿日本ツーリスト日本旅行、各都市にある民鉄系の旅行会社等です。

国鉄分割民営化で発足したJR各社もJTBとは別会社であり、バブル景気のおかげで企業の団体旅行が盛んなため、自社で旅行代理店を立ち上げていった時代でした。
その成り立ちは本州3社で異なります。

JR最大であり首都圏を営業エリアに抱えて、自前主義のびゅうブランドを立ち上げて東日本各地に展開したJR東日本

首都圏と関西圏を他のJRに押さえられていながらも、東海道新幹線という優良資産を抱え、全国的に営業力のあるJTBと提携してJR東海ツアーズを立ち上げたJR東海

関西圏と山陽新幹線を抱えていて、当初は東日本と西日本という二大看板の一角で、自前主義の旅行ブランドを立ち上げたJR西日本
こちらは自前でブランドを作るには弱かったのか、後に日本旅行をグループ傘下として営業力を強化しました。

びゅうブランドは首都圏をマーケットに出来るJR東日本だからこそ、展開されていって今もびゅうプラザが残っていったと考えます。