てぃーろーどの公共交通雑記

鉄道・バスを中心に公共交通なんでも扱う予定です。

JR北海道 減りゆく特急利用者と増えていく空港利用者

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これは平成16年度~平成29年度における、夏休み期間中において各方面特急の乗車人員のグラフです。
夏休み期間中は道外からの観光客が最も多くなるシーズンです。
特急列車の利用者も年末年始に次いで、多くなる時期となります。
JR北海道では繁忙期の終了後に利用状況を公表していますので、こちらより1日平均を割り出してグラフ化しました。
それぞれの折れ線に最大と最小の乗車人員を数値で載せています。

まず、旭川方面の特急ですが最大値は平成20年度で、札幌~岩見沢にて1日平均1万4千人以上の利用者がいました。
おそらく旭山動物園がブームとなり、観光客の利用が多かったと思われます。
これ以降は年々減少傾向にあり、平成29年度では1万人程度まで落ち込んでいます。

次に函館方面の特急ですが最大値は平成20年度で、苫小牧~東室蘭にて1日平均9500人の利用者がいました。
ここをピークに年々減少傾向になり、平成25年度では大きく減って7000人を割り込みました。
キハ183系気動車がエンジントラブルによる運用離脱となり、定期運用の北斗が運休し輸送力が大きく減ったことによるものです。
翌年はやや回復しましたが、平成27年度以降も減少傾向で平成29年度に過去最低の6700人となっています。
 
続いて海峡線の特急です。
最大値は平成18年度で中小国~木古内にて、7700人の利用者が居ましたが、これ以降は緩やかに減少しています。
平成23年では東北新幹線新青森まで延伸開業してから初めての夏を迎えましたが、東日本大震災の影響で伸びていません。
在来線特急では最後の年度、平成27年度では過去最低の5900人でした。
平成28年度からは北海道新幹線による数値ですが、9800人で前年比1.5倍以上となりました。
しかし、平成29年度では開業ブームが落ち着き、在来線特急時代のピークと同程度まで落ち込みました。
 
最後は道東方面の特急です。
最大値は平成20年で南千歳~トマムにて、1日平均5900人の利用者がいました。
その後は減少傾向で平成24年以降は減り方が大きくなっていきます。
平成23年10月に道東自動車道の夕張IC~占冠ICが開通し、札幌から帯広までの全区間が高速道路で結ばれるようになりました。
平成25年以降の減速ダイヤによる運転と共に、高速道路の延伸が強く影響を受けているものと思われます。
平成28年・29年では3500人にまで落ち込んでいます。
 
 
最後に夏休み期間中の新千歳空港駅・一日あたりの平均乗車人員数のグラフを載せます。
特急利用者とは反対に、年々増加傾向にあります。
 
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JR北海道快速エアポート千歳線へ投資する理由がわかると思います。
リーマンショックでやや影響を受けていますが、平成23年度以降は増加傾向にあります。
振り子式車両等で在来線特急を高速化させていきましたが、道内人口の減少とともに特急利用者すら減少しています。
札幌都市圏の空港輸送や航空利用者の取り込みが、JR北海道において最後の望みだと思います。