てぃーろーどの公共交通雑記

鉄道・バスを中心に公共交通なんでも扱う予定です。

一連の台風被害 石勝線・根室線代行バス

2016年12月20日乗車時の状況です。
 
2016年8月下旬から連続して北海道内へ台風が上陸し、道内の交通網に大きな影響が有りました。
道東方面への主要幹線である石勝線・根室線も、線路や路盤の流出、橋梁の流出により12月21日まで不通となり、復旧まで3ヶ月強を要しました。
その期間中は臨時特急や臨時快速、代行バス等で札幌~釧路の輸送を担うリレー輸送が行われていました。

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不通となっていたのはトマム~芽室ですが、
経路が高速道路に限られること(一般道も被災し不通区間が発生)、拠点間移動の確保の観点からトマム~帯広で代行バスの運行となったようです。
札幌~トマムは臨時特急、帯広~釧路は臨時快速で定期特急のダイヤを活かしつつ代行バスに合わせた運行となりました。

札幌~帯広で3時間半前後、札幌~釧路で5時間半前後要し、通常より1時間程度時間が余計に掛かり、代行バスの輸送力も限られています。
やむを得ずJR北海道で公式に「航空機、都市間バスなど、他の交通機関のご利用もご検討いただきますよう、お願いいたします。」と案内されていました。

代行バス乗車は12月20日、列車の運転再開が2日後に控えていました。

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白糠町営バスに乗った後、白糠10:57発・臨時快速帯広行きに乗車。
キハ283の運行でグリーン車も連結されていました。
臨時快速ながらも特急と同等のダイヤで、帯広へ12:14に到着。

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駅ホームの電光掲示板にも代行バスの案内が反映されていました。

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ホームを下りて改札口で乗り継ぎの案内が有りました。
代行バスで1時間半、臨時特急で1時間半以上、トマム駅は駅売店やコンビニが無い山間部の駅なため、帯広駅で購入するよう案内されています。

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東口ロータリーではジェイアール北海道バスによる、代行バスが3台待機していました。
地元のバス会社は高速バスの増発対応等で余裕が無いことから、JRバスによる列車代行措置が取られたものと思います。

帯広駅発車は12:40、トマム駅到着は14:10です。
3台で発車しましたが1台の車内は約30人程度、総勢100名前後だったと思います。
JRバス乗務員だけでなくJR北海道の車掌も乗務?していました。
・列車運転見合わせのお詫び・12/22より列車運転再開
代行バスの到着時刻・運行経路・シートベルト着用のお願い
トマム駅からの臨時特急の案内
等のアナウンスが流れ、代行バスとは思えないサービスでした。

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トマム駅に定刻で到着、一般道の代替も兼ねる道東自動車道の渋滞が懸念されていましたが、特に影響はありませんでした。
トマム駅では臨時特急が待機しており、代行バスの乗客は一斉に乗り換えています。

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近くには星野リゾートもあり、インバウンド客が送迎バスから乗り換えていきました。
大型バスを自家用車としてホテルが走らせているのは、さすが大手資本と思います。

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臨時特急もキハ283で運行されていました。
トマム駅は乗り継ぎの時以外は閑散としており、住宅地が見当たらず専ら星野リゾートの玄関として機能しているようです。

石勝線は陸路では札幌と帯広・釧路方面を最短経路で結ぶ主要幹線であり、この代行バス運行期間中は、並走する高速バスや釧路への航空便はほぼ満席の状況でした。

現在通常運行しているものの、旅客は高速バスへ一部流れて台風被災前の輸送水準を下回る状況です。
JR北海道では今後も単独維持可能な線区として運営をする見込みですが、キハ283の置き換え・今後老朽化が進む石勝線の土木構造物等々、今すぐではありませんが大きな課題があります。