てぃーろーどの公共交通雑記

鉄道・バスを中心に公共交通なんでも扱う予定です。

只見線と代行バス(会津川口~只見)

2015年7月30日撮影

只見線は2011年の豪雨で鉄橋流出等の発生、会津川口~只見が運休となっています。
この区間は2018年現在も代行バスで運行が続けられていますが、復旧スキームが確立したことから鉄道復旧となりました。
福島県を始めとする沿線自治体が線路を保有し、JRが運行をする上下分離での復旧工事が始まっています。

2015年の夏に代行バスを含む只見線を完乗するべく乗りに行きました。
この日は小出回りで只見線始発で行こうとしましたが遅延して間に合わなくなり、東武鬼怒川線野岩鉄道会津鉄道回りで会津若松へ抜けました。

イメージ 1


只見線の起点は会津若松からとなり、磐越西線が接続します。
只見線の車両はキハ40系列が使用され、この日は原形機関を搭載した非冷房車でした。
窓を開けて風を取り込む車両も今や数少ないものです。

イメージ 2

 

イメージ 10


会津川口まで約60kmを2時間弱掛けて走ります。
最高速度は60km/h前後でのんびりとしたローカル線でした。

イメージ 3


線路と同じ高さから撮りましたが、やはりキハ40系列は大柄で国鉄車両の頑丈さを漂わせています。
製造後30年以上経過してもきちんと手入れされていると、車体に関してはまだまだ使えそうな気がします。

イメージ 4


会津川口駅は郵便局と併設されており、駅舎内には売店もありました。
ここは金山町の玄関口であり、駅前には商店や公共施設が集積します。

イメージ 5

 

イメージ 6


只見線代行バスは駅前から発着し、会津川口~只見を運行します。
事業者は只見駅前に位置する奥只見観光で、マイクロバスによる運行のようです。

夏休み期間中で18きっぷの利用者が多く居ましたが、乗車した代行バス只見駅で列車との接続が2時間近くあり空いていました。
しかし途中の川口高校前に停まると、学校帰りの学生が乗車しマイクロバスの席が埋まりました。

代行バス化で利便性を考慮して学校前にバス停を設置したり、駅以外にも大きな集落には停留所を設けています。
鉄道復旧となるとこの点が不便になると思われます。

イメージ 7


50分程度で只見駅へ到着、只見駅まで乗り通した人は3名でした。
列車は2時間近く経たないとやって来ませんので、只見町内の中心部を回ってみました。
人口4000人の小さな町ですが、スーパーや商店もあり一通りのお店は揃っていました。
只見町内はダムが多数あり、大半を首都圏へ向けての発電を行います。
只見線もダム建設の資材輸送に活用された経緯があります。

イメージ 8

 

イメージ 9



18:27に小出からの列車がやって来ました。
8分で折り返し、小出方面の最終列車になります。

只見~大白川は新潟と福島の県境となり人家がほとんど無く、途中駅であった田子倉駅は冬季間通過の措置を経た上で2013年に廃止となりました。
大白川~小出は新潟県魚沼市内となり、入広瀬地区と小出地区を結ぶ流動が多少見受けられます。

最終列車も入広瀬から1人乗車しましたが、それ以外の乗降は有りませんでした。

イメージ 12

小出には19:48の到着、小出駅も既に駅員不在の時間帯となり閑散としていました。
只見線はこのあと最終列車として19:57発大白川行きがあります。
上越線の上りは20:32となりますので、駅前を見てきました。

イメージ 11
越後交通系列の南越後観光バスが小出~大白川を路線バスで結んでいるようです。

1日2往復のみですが、只見線の列車が走らない時間帯を運行していました。

只見線乗るために丸一日掛りとなりましたが、それだけの時間を掛けて乗りに行く価値があると思います。
しかし鉄道事業として考えると、今後も極めて厳しい状況です。

特に会津川口~只見は上下分離されて線路が自治保有となりますが、山間部を走るため再び災害が発生してもおかしくはない地勢です。
その他の区間会津若松会津坂下を除いて、利用者が極端に少ない状況であることには変わりません。

鉄道が地域に必要不可欠という社会的合意をどこまで得られるか、自治体の重要な課題ではないでしょうか。